ストⅡであえてドローにする文化

みなさんはストⅡなどの対戦格闘ゲームでわざとダブルK.O.するなどして、その試合をドローにする文化があったのをご存知でしょうか。

文化というと少々大げさですが、まだゲーセンに対戦格闘ゲームが出始めた頃、私の住んでいた地域では知らない人とでも技を相打ちにしてダブルK.O.にしたり、体力を同じ状態にしてタイムオーバーでドローにしたりすることがありました。

何故そんな文化があったのでしょうか。

どういった経緯でこの文化ができたか正確な所は不明ですが、恐らく「1コインで少しでも長く遊びたい、多く対戦したい」という所から生まれたものと思われます。

当時まだ対戦格闘ゲームが出始めた頃は昇龍拳が思い通りに出せるような人はほとんどおらず、少しでも長くプレイしたかったものでした。

私も昇竜拳が出せなかった頃は、ボーナスステージで時間いっぱいまで昇龍拳を出す練習をしていました。

昇龍拳をマスターしたいがためにボーナスステージが待ち遠しいほどでした(と言うのは流石に言い過ぎですかねw)

それくらい1回のプレイで長く遊びたい、練習したい、何度も対戦したいと多くの人が考えていたのだと思います。

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そんな所から生まれたと思われるドローをする文化。

実際にどうやって相手とドローする意思疎通をしていたのでしょうか?

友達同士なら「ドローしようぜ」と声をかければいいのですが、知らない人とやる場合はそうもいきません。

ではどうしていたのでしょう?

実は暗黙の合図がありました。

その合図とは「遠くに離れて立ち弱パンチを何回か空振りする」というもの。

最初は真剣に対戦して、主に勝っている側(もう少しで相手をKOできる状態の人)があえて遠くに離れて立ち弱パンチを何回か空振りする。

負けている側がドローを了承する場合も同じく、遠くで立ち弱パンチを何回か空振りする。

そうして双方がドローすることに同意したら、お互いがあと一発でKOされる体力まで減らしてダブルKOしたり、削りなどで体力を同じにしてタイムオーバーまで待ったりしました。

ストⅡダッシュ以降のゲームはラウンド4でドローすると両方ともゲームオーバーになってしまったため1回しか多く遊べませんでしたが、初代ストⅡに至ってはドローを繰り返すことでファイナルラウンド(ラウンド10)まで進むことができるため、実質10回ほど対戦できることになります。

(それがあったからダッシュからはラウンド4までになってしまったのだと思いますが)

しかし、お互い人間同士。

失敗することもたまにありました。

もちろん失敗した場合、片方はゲームオーバー。

もしそうなってしまったら、どうなったと思いますか?

リアルファイト?

いえいえ、倒してしまった側がお詫びに1コイン入れたりしていました。

本来なら勝っていた側にとってはただ相手に1コインおごってあげているようなものですが、そういう文化だったんですね。

非常にマナーが良い時代でした。

ハイスコアガールでは灰皿ソニックが飛んで来たり、リアルファイトが勃発するようなストⅡですが、当時私のいた地域はマナーが良かったのかそういったものを見る事はほとんどありませんでした。

そしてドローをした結果、本来なら勝っていた側が負けてしまうこともありました。

もうそうなったらリアルファイト・・・なんてことも無く普通に席を立ちました。

※負け側(ドローを受けた側)の人が最終的な勝ちを譲る場合もあった

いやぁ、平和ですね^^

しかし時代は進みストⅡ’ターボが主流になったくらいから、合図を送ってもドローが承認されないことが多くなっていきました。

この文化を知らない人が増えたのかドローをしたくないのかわかりませんが、次第にドローの合図自体を見ることも減り、ドローをする文化も無くなっていきました。

よく考えれば知らない人とドローをすること自体が通常ではありえないような事でしたが、私はこの文化が結構好きでした。

ガチの対戦ももちろん面白いのですが、こういった人と人との繋がりを感じるような文化が無くなってしまったのは少々寂しい気もしますね。

以上、ストⅡであえてドローにする文化でした。

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